秋の、ファーム富田の事
- Masako Takashima

- 2021年10月31日
- 読了時間: 8分
更新日:2022年11月19日

ファーム富田
アロマテラピーやハーブを好きな人、北海道が好きな人は耳にしたことがあるラベンダーで有名なファーム。富良野と言えばラベンダー、ラベンダーと言えばファーム富田。学生さんも修学旅行で、きっとコースに入っている場所。
ラベンダーにはたくさんの種類がある
サクラやバラにたくさんの種類がある様に、ラベンダーにもたくさんの種類があって、ここファーム富田でも(たぶん)5種類くらいのラベンダーが育てられている。富良野全体、北海道全体で探せばもっとたくさんの種類のラベンダーが栽培されていると思う。
温室で、濃紫早咲と、デンタータラベンダーが咲いているのを見られたよ。濃紫早咲の蕾は本当にかわいい。こうして、季節じゃなくても見られるのはありがたい。
ファーム富田は秋でも全力営業中
富良野の紅葉シーズンは10月中旬~下旬の短い時期。そこを狙って行ったので、満開のラベンダー畑が見られないのは承知。畑だけでも見られれば・・・と思ったら、ちゃんと営業していた!
蒸留小屋とか、写真ギャラリー、ドライフラワーの舎、資料館とショップ、cafeなど、十分楽しめる。紅葉のファームもとても素敵。畑を耕している様子も見られて、静かで優しい時間が流れていた。
オープンしているところには、案内板に、OPENマークが貼ってある。
シーズンはシーズンでたくさんの笑顔と香りにあふれた元気な富良野が見られるはず。でも、厳しい冬を超えてこそ美しい花が咲く訳で、厳しい冬を越すために、秋のお手入れが必要な訳で・・・(北の国からの純のナレーション風)私は、どちらかと言えば、その陰の方が好きな訳で・・・そこを見てから満開のラベンダーを見た方がきっと感動もひとしおだろうと思った訳で・・・
どんな風景が広がっているか
ガラガラの駐車場に車を停めて、上の方に歩いて行く。もちろん歩いていい場所だけ歩く。
畑のうえの方から、見下ろすと遠くに雪をかぶった山が見える。脇の林の下には熊笹が生えていて。
ラベンダー畑の中に白樺の林があるんだけど、誰もいないから本当に静か。気持ちいい。寒いけど。白樺の皮が落ちていた。
自然を堪能。コレだけでも、もう充分楽しい。ちょうど、JRが通って(笑)踏切の音しかしないけど、それ以外はすごい静かなんだよ?ああ、で、そのJR。単線で列車で、踏切から写真取るとすごい味がある写真が撮れるの。余談だけど。
蒸留の舎
ここで蒸留しているんだなぁ。蒸留していたら、きっといい匂いがあたりに漂っているに違いない。そしてシーズン中だったらきっとワンサカの人だかりだろう。
説明も分かりやすく書いてくれてあるからぜひ読んで欲しい。蒸留は、協会とか国とか時代とか関係なく、ずっと昔から同じようなやり方で取っていたのだと、みんなに知って欲しい。
釜の素材が、ステンレスだったり、銅だったり、ガラスだったり、そんな違いがあるかもしれないけれど、「水蒸気蒸留法」ということに変わりはなく、どうしたらいい匂いの、良い精油が取れるのだろうと昔からみんなが試行錯誤しているのが不思議で楽しい。
そして、芳香蒸留水(フローラルウオーター)がこの過程で取れることも知って欲しい。
シーズンが終わった後だけど、温室でラベンダーが見られました。濃紫早咲とデンタータラベンダー。デンタータは葉っぱがギザギザして面白いやつ。早咲は普通にシュッて(笑)説明これじゃ、わかんないよね。ぜひ見に行ってみて、そう思うから。
今回、1日違いで行った友達がいてね、前日にはブルーのサルビアの横に赤い「ケイトウ」かなぁ?ちょうど全部抜き取っていたのを写真に撮っていたの。翌日私が行った時は、畑がきれいになって土だけになっていて、写真比べて「おおおお」って。二人でおんなじところが気になるのね(笑)って。
富良野の人は、「よその人はそんなことが気になるのか~~」って笑っていたけど(笑)そう、そんなところが気になるの。
これも、「そんなところが気になるのシリーズ」。 ロールは何だろう。麦?稲?牧草(ってそもそも、なんの葉っぱなんだろう)。これを土に混ぜるんだよね。こんなロール、テレビでしか見たことない。トラクターで上手に運ぶのかっこいい。そして、その横では、落ち葉集めや、ラベンダーの株の手入れを人の手でしている。ああ、なんていい光景なんだ。シーズンじゃなくても十分楽しいじゃないか。
資料館は丁寧に見る派
2階には、資料館と香りの体験教室。でここ最初に使用された蒸留釜が・・・ん?んん??( ,,`・ω・´)ンンン?1985年(今は2021年。つまり、36年前・・・?)私の中の計算が合わないのだが・・・。
ファーム富田さんのHPの資料によると
1937年(昭和12年)曽田香料の創始者・曽田政治氏が化粧品の原料としてフランスよりラベンダーの種5kgを入手する。その後、日本各地で試験栽培が行われる。
1940年(昭和15年)曽田香料が現在の札幌市の農場(16.4ha)にラベンダーを植え付ける。
翌年、現在の共和町の農場(46ha)にも植え付ける。
1942年(昭和17年)日本で初めて蒸留によるラベンダーオイルの抽出に成功する。
1952年(昭和27年)中富良野でラベンダー栽培が始まる。
1942年に、オイルの抽出しているよ。
なぜ、こんなことに気付いたか。今年の4月に私は開聞岳香料園に行って約80年前から使われている巨大蒸留窯を見たから。同じく曽田香料がゼラニウムを植えてオイルを抽出していた、その時から使っている釜。だから、ファーム富田も80年前からやっていると思っていたんだよ。
この目の前の初代の釜は、1942年から、1985年ごろまで使われていたよ~~って事なんだろう。うん、そうなんだろう。
ちなみに、開聞岳の香料園では、80年前に使われていた釜が今でも現役で使われている。
自分が”いい精油を買う為に”したいこと
アロマテラピーで使う精油は、良いものが欲しい。「標高が高いところで育てました。」「オーガニック栽培です。」など、良いものを使おうと、こだわりの精油を探し、自分やお客様に合うものを見つけ出そうとする。その時、サイトの口コミやメーカーの謳い文句などの文字情報以外に、自分が買おうとしている精油にどんな歴史があるのかに目を向けてみると、選択する時の気持ちや見る目が変わってくる。
ここの畑は、雑草も人の手で一つ一つ抜かれて栽培されている。土も、こうして丁寧に耕されていてお手入れの様子も見られた。とても大事に、気持ちのいい場所で栽培されているラベンダーだ。
そしてある国の違う畑では、昔からある大自然の中やゴツゴツした岩のある場所で、もともとそこに生きていたその他の植物と一緒に育っている。昔からあるそのままで野生の環境で育っている。私はそういう環境の子も好きだ。農作業重機は入れないから、人が一つひとつ手で摘み取り、蒸留する。そんな場所では、車も入れないだろうから、空気も水もきれいなはず。いわゆる野生種。(野生栽培とは言わない)。
同じラベンダーアングスティフォリアでも、この育った環境だけで香りが変わる。まずは、何も情報を入れずに色々嗅いで自分の好きを決めればいい。野生・オーガニック栽培・普通栽培、どれが一番いいって話じゃない。
その後に色んな事情も知って、用途も考えて香りを嗅ぐと、耳から入った情報や過去の経験、そういうフィルターを通すので、最初の印象と違う香りに感じるはず。
「このチョコレートは、ベルギー王室御用達の、有名なショコラティエが作った、個数限定のチョコレートだよ。」と聞いてから口にするチョコが、やたらとおいしく感じるのに似ている(笑)もちろん私は普通のロッテのガーナチョコレートも好きだけど。
最後は自分の価値観と、用途を考えて買えばいい。誰かの意見などは参考にしかならない。
昔の蒸留窯
資料館の横には、古い蒸留釜が展示してあって、うおお、どうなっているんだ?と、中を覗き込んでしまいました。ああ、こうやって冷却するのか・・・・などと、一台一台丁寧に見ます。(もうここまでで、何時間か過ぎています。だから一人がいいんです。)うわあ、ラベンダー煮出している?
約140年前。南プロバンスの丘陵に自生するラベンダーのオイルを抽出するために、蒸留器を運んで蒸留していたそうな!そして、フランスで最初のラベンダーオイルは、水で煮出されていたとの事・・・ほぉ
1905年ころから、ラベンダーを煮出す直接蒸留から、水蒸気蒸留で取る様になったそう。この方が、エステルの含有量が5~10%も高いんだそうな。この方法は、今と同じだね。工夫して、考えたんだろうなぁ。
素敵だよね~。下にコックがついていて・・・可愛い。普通にウオーターサーバーで、インテリアで置いておきたい( *´艸`)
ここ、地味な扉だけど、なるほどなぁと思った。大事なお部屋。世界中の人が来ている証拠だ。
香りを試せるコーナー
これらの香りを試せるコーナーがあったんだけど、人気で人が多かったので一つだけ試して飛ばしました。みんな香りクンクンは大好きだよね。
全部買いたいお土産コーナー
もう、欲しいものだらけ。本当に必要なモノだけを買って帰りました。精油、石鹸、カレンダー、芳香蒸留水。
まだまだ続いた楽しいショップ
隣に、素敵なドライフラワーの舎が。完全な状態で持って帰る自信がなくて、見るだけで泣く泣く断念しました。本当に色が美しいの。デザインも素晴らしい。
ラベンダーの満開の季節だったら、きっと混みこみで見られなかった資料館や蒸留釜。負け惜しみじゃないけど、今回本当に良かった。ゆっくりと見られた。
今度は、きっとラベンダーの季節に来よう。ファーム富田以外にも、たくさんのラベンダー畑があるから、きっとポツンとみられる穴場があるはず。そんな場所を探すのが大好き。

余談
2022年7月に、夏の富良野でオンラインセミナーを実現しました。
その時の様子は7~8月の個人のFacebookに載せてあります。年内には、ブログに纏めたい(;'∀')



















































































































































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